健康診断における尿蛋白の異常と原因調査について

2020年4月7日

健康診断における尿蛋白の異常と原因調査について  
本学の尿検査において、尿蛋白が異常に高い状況が続いています。具体的には、疑陽性(±)の割合について、大学生における全国平均が10%程度であるなか、本学では、平成28年以降、18.6%、26.3%、35.5%と急激に上昇していました。しかし、尿蛋白以外の異常は見られないことに加えて、追加検査では問題のないケースが多いことから、検診にて行っている尿検査の手法そのものに問題がある可能性があります。
そこで、学生健康診断で行っている通常の尿検査(尿を試験紙に浸して行う簡易検査:定性法)に加えて、同じ尿を対象とした尿蛋白の精密測定(外部の検査機関に委託して計測する定量法)を組み合わせることで、本学の尿検査の精度を確認したいと調査を企画しました。
調査の対象は、尿検査を受ける学生のうち、尿検体の提供に同意した学生を対象とします。提供頂いた尿検体は、上述の計測によってデータ化したうえで、破棄します。そのうえで、計測値をのみを個人が特定されないような匿名化処理を行ったうえで研究利用させて頂きます。原因探索の結果は、研究成果として研究会や学術雑誌等を通じて発表させて頂く予定です。なお、発表に際しては、発表媒体の規定に基づき、匿名化を施した比較データ(定量法と定性法の対照データ)が論文付録として公開される場合があります。ただし、それぞれについて、誰の検査結果かを特定することはできない形です。
調査に同意をして頂ける場合は、提出する尿の容器に、ステッカーを貼り付けたうえで、提出して下さい。皆さんの健康に関わる問題であるため、どうかご理解のうえ、協力頂ければと希望致します。もし、調査に同意されない場合は、ステッカー貼付は不要です。不同意に際して、検診その他で不利益が生じることは一切ありません。今回の調査や検査結果について説明を希望する方は、保健管理センターまでお気軽にご訪問下さい。
 

保健管理センター長

奥村 貴史